スピナッツ65号の特集 伊藤久仁子さんの敷物 “Weave−Wave−Beating”

この夏はずっと伊藤久仁子さんの敷物でポンタの頭はいっぱいでした。
ダイナミックな作品に惚れ、一目一目の集中力に驚嘆し、機のシンプルさに我が意を得、実際にやってみてポンタ自身一目一目にわくわくしました。そしてトワイニング(緯捩り織り(よこもじりおり))という技法の持つ魅力にどんどんのめりこんでいきました。
トワイニングは、緯糸を経糸に絡ませながら織っていきます。糸の方向が右上か左上か傾きがあります。必ず下の段との関連性の中で柄が出てきます。そして糸の色を変えればそこで無限にデザインが生まれてくるわけです。
その一目一目の方向を考えながら進む様は、まるでヨットが波に一つ一つ乗りながら前に進んでいく様子に似ているとポンタは思いました。風上に向かって斜め45度の角度にしか走れないヨットは、方向を変えながらジグザグに前進して行きます。その間も大波小波、その時々の風と波を読みながら前に進んで行きます。
伊藤久仁子さんの織物はまさにそれ、色の違う緯糸を自在に手繰りながら柄を織り出していきます。そして、400gあまりの重たいビーター(まるで鉄アレーの様)でガンガン打ちつけて図柄を締めていく。
ヨットでは方向転換(タックといいます)を繰り返して、波に乗り目的地目指して進んで行きます。その前へ前へ進んでいくセーラーのことを「ビーター」というそうです。
それって、あのビーター???伊藤さんがガンガン打ち込んでいたあのビーター???
なんだかポンタにはWeave(織り)がWave(波)に見え始めました。そして波間を切ってBeatする・・・
伊藤久仁子さんの敷物は、わくわくするようなダイナミックな織物なのです。
今回の特集、どうぞお楽しみに・・・


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