Spinnuts No.75 2010年2月5日発行 本誌64ページ=1470円



スピナッツ75号   Sheep&Wool 暮らしを紡ぐ情報誌  

今回のテーマは「物作りの潮流 TOKYO-LONDON」
思いっきり大風呂敷を広げてみました。

工業生産されているものから、私達の手仕事の世界、そして、伝統的な布まで・・・出来るかぎり視界を広げて地球レベル!「物を作る」という大命題を考える号です。

その1、鰐の王の文様―西ティモール・アトニに残る鰐の文様、それは口伝によって人から人へ伝えられてきたもの。
その2、・レクシーさんの、これがアートヤーンだ! スピニングレボリューション
     ・ロンドンのステッチングショウから、第六の素材リサイクルヤーン
その3、環境に配慮した化学染色 

まさに今回は2010年、「今」の切り口の特集ばかりです。 
オミノガシナク!!!

写真はアトニの鰐の文様(by 岡崎真奈美)

    

\1,470/1冊

*発送は2月5日以降になります。


鰐の王の文様
今回スピナッツが、まず一番にお奨めの特集は、このティモール、アトニの鰐の文様の織物です。
以前スピナッツ68号に登場していただいた岡崎真奈美さん。「イケとステイ」という木綿の糸紡ぎの事を紹介していただきました。(写真はその時のもの)

ティモールの布を、日本に紹介している岡崎真奈美さん。今回のスピナッツ表紙写真には綿を紡ぐ女性の動く指先をクローズアップします。(まもなく掲載します。オタノシミニ)
その一瞬たりとも静止しないはずの糸を、みごとに捕らえた写真です。すなわちそれは、村人に受け入れられた彼女だからこそ撮れた写真ではないかと思います。
そして今回の鰐文様の物語といい、布といい。いずれも口伝で受け継がれてきたものが、こうして活字になり、日本の私達に伝えられたという事。それはまるでティモールの鰐の王様が、はるばる太平洋を泳いでお越しくださったような事のように思います。
しかしそれは多分、そうまでしないことには、この「手で紡ぐ」ことが、この地球上から無くなってしまうのでは、と鰐の王が危惧されたからのようにも思えるのです。
この特集を見て、一人でも多くの人に手紡ぎのスピリットが伝われば、と思っています。


山本亜希のフェルト 「物語の扉を開く」
利休瓢箪、宗達の梅、唐花文様、獅子狩紋金、南蛮人・・・
日本人なら、どこかで見覚えのある伝統の文様。

これを“写し”という。
「真似」ではなく、写しというその意味は、
その文様を写すことによって、古人と感性を共有するのである。
万葉集、古今集と続く和歌の世界、そこからイメージを膨らませ、時代々々の人々によって洗練され、ますますイメージを膨らませていった日本の
文様=意匠。
それは、千有余念の時空をひとまたぎするイメージのトンネル。物語の扉を開き、古人と感性を共震させる「鍵」、それが意匠なのだ。     
(写真は山本さん作、葡萄唐草文様の帯)


物作りの潮流 TOKYO-LONDON



「二番底」とか「中小企業救済策」とか次々言葉を繰り出すメディアと政府。「これ以上安出来ないところまでの値下げ競争、儲けなし・・・」という経営者。
日本の物作りの現場は海外に出っぱなし、食料は輸入しっぱなし、仕事はどんどんなくなる、対処療法ばかりで指針はあるの?このまま続けることできるの?
不況という言葉掛けさえしてもらえていない、
私達手仕事のこの“業界”。でも、物作りの担い手のはしくれです、と私は言いたい。
いずれも同じ土俵、地球上にある資源を使って物を作り、人の暮らしの中で消費している。

この地球上の資源を、人間の数で割って、それが一人一人の衣食住をあがなうに足る物作りってどんな物?・・・それはどんな暮らし方?
持続可能なライフモデルを今、世界中の人が模索している。

今回は去年10月ロンドンであった「二ッティング&ステッチィング ショウー」から話を始めます。


LEXI BOWGER これがアートヤーンだ!
2008年、LEXI BOEGER “Handspun Revolution”と題された本を見たときの、あの衝撃は忘れられません。以来、そのアートヤーンが日本中のスピナーの間で話題になりました。
ラメもボタンもボンボンもなんでも紡いでしまうその糸。でも“これでナニを作るのかしら“という疑問が、私自身ずっとぬぐえませんでした。
今回はレクシーさんのスピニング、その手元にグットせまってご紹介します。
遠目で見物キブンのキャリア組みスピナーの皆さん、必見ですよ!まずは新しい考え方を理解してみよう。

去年9月、レクシーさんのワークショップに参加して作った、これがその糸。
「アートヤーン」って何?の核心に迫ります。


環境に配慮した化学染色
すべての人類の活動は、今「環境」というフィルターで通してみないことにはいけない状況にあります。

化学染色って大丈夫なの?
媒染剤は使っていいの?

化学に弱い私は、染色する時ちょっとちょっと疑問を持ちながらも、なんとなく染め、クロムは環境によくないらしいとか思っていても確認もせず、今までやり過ごしてきたように思います。
今回は、日頃の疑問に答えていただくべく、染織り愛好家にとって、まず筆頭に上げられる老舗の染料店、田中直の染料研究開発部、この道30数年の高橋誠一郎さんに。羊毛を染める時の、フェルト化ムラ染めしない染め方から、染料媒染剤の廃液処理法、そして環境に配慮した染色ついてまで、その日進月歩の化学染料の今を教えていただきます。
「環境への配慮」がすべての物作りに問われている現代。染料、媒染剤、助剤、廃液と何処をとっても環境と深くかかわる染色について、今の最新情報も含めて、染色の工程と、薬剤の扱い方を再考します。
・フェルト化むら染めにならない、羊毛の染方
 昇温、沸騰させない染め方
・染色廃液の処理法
・水質汚濁防止法とは

本誌サンプル



1枚のフリースから リレーコラボ
「ニットにはない、織の安定感、織にはない、ニットの立体感」

Weaving
洲崎英美から・・・
 ↓
Knitting
笹谷史子へ・・・。
いよいよ6回目のこの連載、ノリに乗ってる2人。
今回は2人でリレーしながらのコラボレーションです。
ポンタからの御題は、番手の違う品種をそれぞれ用途に合った使い方をすること。それを2人のコラボで仕上げること。
モデルには、笹谷さんの妹さんと生まれたばかりの甥っこ壮士君のためのモノを作ることとしました。
この2年、ライバルのように競い合ってきた2人の、今回は新たな境地に注目です。今、ノリに乗ってる二人のリレーコラボ。
今回使った羊毛、その御題は
「毛番手の違いを使いこなす」
細番手:Polwarth
中番手:Perendale
太番手:Lincoln


写真は子育て上手なペレンデールの親子、今回のテーマにぴったりです。
丈夫なリンカーンで作ったルームシューズ。
親子でたまらんかわいさです!


というわけで、見て楽し、わくわく手がむずむずして・・・、ついでに頭ももりもり回転し始める。
楽しくて・・・その後じっくり、暮らしの中で、発酵・熟成・発芽・・・していく・・・そんな雑誌です。
オタノシミニ!


スピナッツ75号 目次
はじめに 手紡ぎの風景74 本出ますみ
2 フェルト作家 山本亜希  「物語の扉を開く」 山本亜希
6 物作りの潮流 TOKYO-LONDON
テキスタイルはジャンルを超えモンスターのように増殖し続ける
本出ますみ
10 LEXI BOEGER これがアートヤーンだ!
ラメ、ボンボン、羽、金たわし…何でも紡ぐ
本出ますみ
14 特集 「鰐の王の文様」
アトニの織物 見えない何かを織り込むことであり、何かに包まれること
岡崎真奈美
22 特集 「環境に配慮した化学染色」 高橋誠一郎
30 OMONちゃんのポケットから un peu6 リメイクは楽しい 猿澤恵子
32 糸をデザインする フェルトヤーンの作り方 吉岡よう子
38 庭木の恵み6 「桜」 石田紀佳
42 すずきひろこの布 大きなブランケット 小さなひざ掛け
45 チリ交春秋5 年末はチリ紙交換にとって最大のお祭りです 岩井和一郎
46 1枚のフリースから6
リレーコラボ おくるみショールとレッグウォーマー
毛番手の違う羊毛を使い分ける
洲崎英美・笹谷史子
55 本屋が考える本のエッセー 希望を探して6 「図書館へ行こう」 小西徹
56 日本の羊飼いをポンプアップする裏方軍団
ジャパンラム 須藤薫雄
61 家庭で楽しむ羊料理5 仔羊胃袋”トリッパ”のトマト煮込み 武藤浩史
62 INFORMATION  
おしまいに おもちゃ箱 本出ますみ


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